訪日クルーズ客の消費動向
 観光庁が調査する「訪日外国人消費動向調査」に、クルーズ客の消費動向が加わり、これまで 調査ごとにかなりのばらつきがあったクルーズ船客による経済効果がより信頼性の高いものと なりました。
 2018年1~3月期の調査結果(2次速報)によれば、クルーズ客1人1日当たりの旅行中支出は
平均31,001円で、観光・レジャー目的の訪日客の平均26,023円を約20%上回る結果でした。
 費目別では、飲食費1,380円(5403円)、交通費149円(2679円)、娯楽等サービス費133円(1210円)、 買物代29,338円(9644円)となっています(カッコ内はクルーズ客以外の一般客の平均値)。
一般客では、これ以外に宿泊費が7,078円となっていますので、宿泊費が落ちないのでクルーズ 寄港の経済効果は限定的という分析は間違いということがわかります。

 飲食費はクルーズ客では、昼食および喫茶等だけなので常識的な値になっています。ただ、 交通費の149円はあまりに安いので、チェックしてみると「クルーズ客は旅行中支出のみ」との 注意書きがあり、船内で購入するオプショナルツアー(ショアエクスカーション)が含まれていない ものとみられます。約半分の乗客が、平均1万円のオプショナルツアーに参加したとすると、 クルーズ客の消費は5000円アップして36000円余りとなります。これだとクルーズ客の消費の方が 40%弱大きいことになります。

 クルーズの旅は、基本的にオールインクルーシィブの旅で、クルーズ前にほとんど支払いを 終えているので、従来から言われるように「旅行中の財布の紐はゆるむ」という傾向をよく表している結果のように思います。
 今後の観光庁の統計を注視したいと思います。緩急庁のホームページから調査結果をみることができます。
                            事務局長 池田良穂

カテゴリー: 学会ニュース

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